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花粉症

毎年、春が近づくのが憂うつ。くしゃみと鼻水で仕事にならない。目がかゆくて集中できない。花粉症は「季節の風物詩」のように扱われがちですが、れっきとした治療の対象です。

そして今は、症状を抑えるだけでなく、体質そのものに働きかける治療の選択肢もあります。このページでは、花粉症の仕組みと、当院でできる治療についてご説明します。

花粉症の診察の様子
画像 [1] 診察の写真
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花粉症が起こる仕組み

花粉症は、本来は無害な花粉を、体の免疫が「敵」と誤認して起こるアレルギー反応です。花粉が鼻や目の粘膜に付くと、ヒスタミンなどの物質が放出され、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみを引き起こします。

くしゃみも鼻水も、体が花粉を追い出そうとする反応そのものです。ただ、その反応が強すぎて生活に支障をきたしている状態が花粉症であり、反応の暴走を抑えることが治療の目的になります。

「去年までは平気だったのに」と驚かれる方も多いのですが、花粉症は花粉に触れ続けた年月の蓄積で、ある年から発症することがあります。大人になってからの発症も、決して珍しくありません。

花粉の種類と時期

千葉県を含む関東では、ほぼ一年を通して何らかの花粉が飛んでいます。ご自身の症状が出る時期から、原因の花粉をある程度推測できます。

春(2〜5月)

スギ(2〜4月)、ヒノキ(3〜5月)。日本でもっとも患者数の多い花粉です。スギとヒノキの両方に反応する方は、症状が春先から連休頃まで長く続きます。

初夏〜夏(5〜8月)

カモガヤなどのイネ科の草花。河川敷や公園、道端の草むらの近くで症状が出やすいのが特徴です。

秋(8〜10月)

ブタクサ、ヨモギなど。「秋の風邪が長引く」と思っていたら花粉症だった、というケースが多い時期です。

「毎年同じ時期に、鼻の症状と目のかゆみが出る」なら花粉症の可能性が高く、時期がはっきりしないならダニ・ハウスダストによる通年性アレルギーとの見きわめが必要です。両方を併せ持つ方も多くいらっしゃいます。

原因を調べる検査

血液検査で、スギ・ヒノキ・イネ科・ブタクサ・ダニなど、どのアレルゲンにどの程度反応しているかを調べられます。

原因がわかると、対策が具体的になります。飛散時期に合わせて薬を始められる、原因に応じた回避策がとれる、そして舌下免疫療法の対象かどうかが判断できる。「たぶんスギだろう」のままでは、この先の選択肢が広がりません。

すでに他院やご自身で「花粉症」と思って市販薬で対処してきた方も、一度原因を確かめておく価値があります。検査の詳細は診察時にご説明します。

なお、採血を伴うアレルギー検査は、当院では6歳以上の方を対象としています。

治療の選択肢

内服薬・点鼻薬・点眼薬

症状を抑える、治療の基本です

抗ヒスタミン薬を中心に、鼻づまりが強い方には点鼻ステロイド薬、目のかゆみには点眼薬を組み合わせます。点鼻ステロイド薬は鼻の中だけで働くため全身への影響が少なく、続けやすい治療です。症状や生活スタイルに合わせて組み合わせを調整します。

初期療法

飛散が本格化する前に始める方法です

花粉が本格的に飛び始める少し前からお薬を開始すると、シーズン中の症状を軽く抑えやすくなります。スギ花粉なら1月中〜下旬が目安です。毎年つらい思いをされている方は、「症状が出てから」ではなく「出る前」の受診をご検討ください。

舌下免疫療法

体質そのものに働きかける治療です

原因のアレルゲンを少量ずつ体に慣れさせていく治療で、スギ花粉とダニが対象です。症状を抑えるのではなく、アレルギー反応そのものを起こりにくくすることを目指します。当院では6歳以上の方を対象としています。詳しくは次の項でご説明します。

セルフケア(お薬とあわせて)

花粉に触れる量を減らすことも、立派な治療です

メガネとマスクの着用、帰宅時に衣類の花粉を払う、洗濯物の外干しを控える、飛散の多い日の換気を短くする。地道ですが、薬の効きやすさに直結します。飛散情報をチェックする習慣もおすすめです。

舌下免疫療法について

「毎年薬でしのぐ」から、一歩先へ。

舌下免疫療法は、原因アレルゲンのエキスを毎日舌の下に含み、数年かけて体を慣らしていく治療です。うまく合えば、シーズン中の症状が軽くなる、薬の量を減らせるといった効果が期待でき、治療終了後も効果の持続が見込めます。

即効性のある治療ではありません。効果を感じるまで時間がかかり、3〜5年の継続が推奨される、根気のいる治療です。だからこそ当院では、始める前に仕組み・期間・注意点を丁寧にご説明し、納得いただいたうえでスタートします。初回の投与は院内で行い、30分お待ちいただいて体の反応を確認します。

舌下免疫療法の説明の様子
画像 [3] 舌下免疫療法の説明・服用イメージ
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当院での進め方

  1. 1回目:アレルギーの確認と、導入日の予約診察と検査で、スギまたはダニ(ハウスダスト)によるアレルギー性鼻炎であることを確認します。対象と判断できたら、舌下免疫療法を始める「導入日」をご予約いただきます。導入日の枠は平日のみ、10時と15時の1日2枠です。
  2. 2回目(導入日):初回投与診察のあと薬局でお薬を受け取り、もう一度院内にお戻りいただきます。院内で初回のお薬を舌の下に含み、30分ほどお待ちいただいたうえで、内服後の状態を確認する診察を行います。1週間後に再診をご予約ください。
  3. 3回目(1週間後):増量ご自宅での内服中に問題がなかったかを確認し、維持量(本来の量)に増やします。1週間分を処方し、再度ご来院いただきます。
  4. 4回目以降:継続問題がなければ1か月分を処方し、以降は月1回程度の通院で治療を続けていきます。

導入日(2回目)は、薬局への往復と院内での待機を含めて1時間半ほどお時間をみておいてください。お仕事のある方は、10時または15時の枠に合わせてご調整をお願いします。

治療の概要

  • 対象:スギ花粉症、ダニ(ハウスダスト)による通年性アレルギー性鼻炎。検査で原因が確認できた、6歳以上の方
  • 方法:1日1回、お薬を舌の下に置いて溶かします
  • 期間:3〜5年の継続が推奨されています
  • 開始時期:スギの舌下免疫療法は、花粉の飛んでいない時期(おおむね6〜11月)に開始します。ダニは時期を問いません
  • 通院:導入後の1か月は週1回程度、安定すれば月1回程度です

お子さまも治療の対象になります。当院では6歳以上のお子さまに行っています。毎年つらそうな様子を見ているご家族から、「子どものうちに始めたい」というご相談も増えています。適応の判断を含めて、まずは診察でご相談ください。

お薬と眠気の話

花粉症のお薬について、当院がとくにお伝えしたいことがあります。

その眠気、薬のせいかもしれません

  • 抗ヒスタミン薬は、種類によって眠気の出やすさが大きく違います
  • 自覚がなくても、集中力や判断力が下がっていることがあります
  • 眠気の出にくい薬でも、症状をしっかり抑えられる場合が多くあります

「花粉症の季節はぼんやりするもの」とあきらめている方は、症状のせいだけでなく、お薬の影響が重なっている可能性があります。仕事の内容、車の運転の有無、受験を控えているかどうか。生活に合わせてお薬を選び直すだけで、シーズンの過ごしやすさが変わることがあります。

市販薬でしのいでいる方も、いま飲んでいるお薬の名前を診察時にお知らせください。より生活に合う選択肢をご提案できるかもしれません。

お子さまの花粉症

花粉症の発症は年々低年齢化しており、小学生はもちろん、未就学のお子さまにもみられます。

お子さまは「花粉症でつらい」とは言いません。鼻をすする、口をぽかんと開けている、目をこする、夜ぐっすり眠れていない、集中が続かない。そんな様子が、実は花粉症のサインだったということがあります。毎年同じ時期に「風邪が長引くな」と感じているなら、一度アレルギーを疑ってみてください。

鼻づまりによる口呼吸や睡眠の質の低下は、日中の学習や機嫌に直結します。お薬による治療のほか、6歳以上のお子さまには、重症度に応じて舌下免疫療法も選択肢になります。原因を調べる血液検査も6歳以上を対象としています。診察の際は、これから何をするのかをお子さま本人に伝え、こわい思いをさせないことを大切にしています。

よくあるご質問

市販薬で十分な気がします。受診する意味はありますか

市販薬で症状が十分抑えられていて、眠気などの支障もなければ、それもひとつの選択です。ただ、「効きが物足りない」「眠気がつらい」「毎年薬代がかさむ」のいずれかがあるなら、処方薬への切り替えや治療の見直しで改善できる可能性があります。原因の検査や舌下免疫療法は、受診でしか始められません。

症状が出てからでは遅いですか

遅くはありません。シーズン途中からでもお薬で症状を抑えられます。そのうえで、来シーズンに向けては飛散前からの初期療法や、オフシーズンに始める舌下免疫療法という選択肢もご案内できます。

舌下免疫療法は花粉の季節にも始められますか

スギの舌下免疫療法は、花粉が飛んでいる時期には開始できません。おおむね6月〜11月頃の開始となります。ダニの舌下免疫療法は時期を問わず始められます。シーズン中にご相談いただき、開始時期を一緒に計画する形で問題ありません。

舌下免疫療法を始めたいのですが、初回はどのくらい時間がかかりますか

初回投与の日(導入日)は、診察→薬局でお薬を受け取り→院内で初回投与→30分の待機→確認の診察、という流れで、1時間半ほどお時間をいただきます。導入日は平日の10時と15時、1日2枠でご予約いただいています。その前に一度、アレルギーの確認のための受診が必要です。

子どもは何歳から検査や舌下免疫療法ができますか

当院では、採血を伴うアレルギー検査と舌下免疫療法は6歳以上のお子さまを対象としています。5歳以下のお子さまの花粉症は、症状に応じたお薬の治療で対応します。まずは診察でご相談ください。

花粉症は自然に治ることはありますか

自然に症状が軽くなる方も一部にはいらっしゃいますが、多くの方は毎年症状を繰り返します。「いつか治るかも」と待つより、症状の程度に合った治療で毎シーズンの負担を減らすほうが現実的です。体質から変えたい場合は、舌下免疫療法をご検討ください。

風邪と花粉症の見分け方はありますか

目安として、花粉症は透明でさらさらした鼻水・連続するくしゃみ・目のかゆみが特徴で、毎年同じ時期に起こります。風邪は数日〜1週間程度で治まり、のどの痛みや発熱を伴うことが多い点が異なります。2週間以上続く鼻の症状は、花粉症を含むアレルギーの可能性をご検討ください。鼻の症状全般については鼻水・鼻づまりのページもご覧ください。