のどの痛み
つばを飲むたびに痛い。食事がつらい。朝起きるとのどがヒリヒリする。のどの痛みは、食べる・話す・眠るという毎日の基本動作に直結する、我慢のききにくい症状です。
多くは風邪に伴う一時的な炎症ですが、なかには急いで治療すべきもの、放置すると悪化するものが混ざっています。このページでは、のどの痛みの原因の見分け方と、当院での診療についてご説明します。
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危険なのどの痛みを、先に知ってください
のどの痛みのほとんどは心配のないものですが、ごく一部に、急速に悪化して呼吸に関わるものがあります。まずその見分け方からお伝えします。
こんなときは、ためらわず今すぐ受診を
- 息が苦しい、呼吸のたびに音がする
- 声がこもる(含み声)、声が出しにくい
- つばを飲み込めず、よだれが垂れてしまう
- のどの痛みが数時間のうちに急速に悪化している
- 口が開けにくい、片側だけ激しく痛む
- 首が大きく腫れている、高熱でぐったりしている
これらは、のどの奥のふた(喉頭蓋)が腫れる急性喉頭蓋炎や、扁桃の周囲に膿がたまる扁桃周囲膿瘍のサインの可能性があります。特に息苦しさや含み声を伴う場合は、夜間や休日であっても救急外来の受診をためらわないでください。
のどの痛みの主な原因
急性咽頭炎・急性扁桃炎
のどの痛みの、もっとも一般的な原因です
ウイルスや細菌によって、のどの粘膜や扁桃に炎症が起こるものです。多くはウイルス性で、風邪の一症状として現れます。扁桃が赤く腫れて白い膿が付く場合は細菌性のことがあり、高熱と強い痛みを伴いやすくなります。
溶連菌感染症
検査で見分けられ、抗菌薬がしっかり効く病気です
溶連菌という細菌によるのどの感染症で、お子さまに多いものの、大人にもみられます。強いのどの痛みと発熱が特徴で、咳や鼻水が目立たないことが多いのもヒントになります。迅速検査で調べることができ、陽性であれば抗菌薬による治療をきちんと行います。これは、当院が「抗菌薬を使うべき」と判断する代表的な場面です。
乾燥・声の使いすぎによる炎症
朝だけ痛い、話すと痛い、という方に
就寝中の口呼吸や空気の乾燥で、朝にのどがヒリヒリするタイプです。いびきや鼻づまりが背景にあることも多く、その場合はのどだけでなく鼻の治療が根本対策になります。声をよく使う仕事の方の炎症もこの仲間です。声のかすれが続く場合は声がかれるのページもご覧ください。
逆流性食道炎によるのどの違和感・痛み
胃酸が、のどまで上がってきているのかもしれません
胃酸の逆流がのどまで届くと、慢性的なヒリヒリ感、違和感、咳払いの癖につながることがあります。「風邪でもないのに、のどの不快感がずっと続く」「横になると悪化する」「胸やけがある」という場合に疑います。生活習慣の調整とお薬で改善が期待できます。
長引く痛み・違和感の裏にある病気
数週間続くときは、一度きちんと確認を
のどの痛みや違和感が数週間以上続く場合、片側だけが痛み続ける場合、飲み込みにくさや声の変化、首のしこりを伴う場合は、炎症以外の原因も確認する必要があります。院長は大学病院の頭頸部腫瘍科で診療にあたってきました。頻度の高い話ではありませんが、「長引くのどの症状は放置しない」ことを、この地域で診療する者としてお伝えしておきたいと思います。
のどの痛みこそ、耳鼻咽喉科へ
のどが痛いとき、内科に行くか耳鼻科に行くか迷う方は多いと思います。耳鼻咽喉科の強みは、のどを「直接見る」ことができる点にあります。
口から見える範囲だけでなく、必要に応じて細い内視鏡で、のどの奥(声帯や喉頭蓋のあたり)まで観察できます。危険な腫れがないか、扁桃の状態はどうか、炎症以外の変化はないか。見て確かめられることが、正確な診断と適切な治療につながります。
また、のどの痛みの背景に鼻の症状が隠れている場合は、鼻の処置や治療をあわせて行えるのも耳鼻科ならではです。鼻とのどを一続きに診られることが、回復への近道になります。
当院の診療について
のどの痛みの大半はウイルス性で、抗菌薬(抗生物質)は効きません。一方、溶連菌感染症のように、検査で確かめたうえで抗菌薬をしっかり使うべき病気もあります。
当院では、のどの所見と経過、必要に応じた迅速検査から原因を見きわめ、抗菌薬が必要な場合も不要な場合も、その理由をご説明します。つらい症状そのものには、痛みを抑えるお薬や炎症への治療でしっかり対応します。「抗生物質が出ない=何もしてもらえない」ではありませんので、ご安心ください。
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お薬の眠気にも配慮します
のどの痛みに処方するお薬のなかにも、眠気に影響するものがあります。お仕事で車を運転される方、大事な予定を控えている方は、遠慮なくお伝えください。生活への影響まで含めて、一緒にお薬を選びます。
診察の流れ
- 問診いつから、痛みの強さ、飲み込みへの影響、発熱・咳・鼻水の有無、周囲の流行状況を伺います。
- 診察のどを観察します。必要に応じて内視鏡で奥まで確認し、首のリンパ節の腫れも診ます。
- 検査溶連菌などが疑われる場合は、迅速検査を行います。
- 処置必要に応じて、のどや鼻の処置を行います。
- 説明とお薬原因と見通し、お薬の必要性をご説明します。
わからないことは、何度でも聞き返してください。特に「なぜ抗生物質が出るのか/出ないのか」は、遠慮なくお尋ねいただきたい質問です。
ご自宅でできるケア
- 水分をこまめにとる:のどの粘膜のうるおいは、それ自体が防御機能です。痛くて飲みにくいときは、冷たいもの・ゼリー・スープなど、しみにくいものを少しずつ
- 加湿する:乾燥は痛みを強くします。加湿器やマスクで、のどのうるおいを保ちましょう
- 刺激を避ける:辛いもの・熱すぎるもの・アルコール・喫煙は、炎症を悪化させます
- 声をなるべく休める:大声や長話は、炎症したのどへの負担になります
- 市販の痛み止めは使ってかまいません:受診までのつなぎとして、解熱鎮痛薬で痛みを抑えることは問題ありません。使ったお薬の名前を診察時にお知らせください
お子さまののどの痛み
小さなお子さまは「のどが痛い」と言えず、食欲が落ちる、飲み込むときに泣く、よだれが増える、機嫌が悪いといった形で現れることがあります。
お子さまののどの痛みでは、溶連菌感染症のほか、夏に流行するヘルパンギーナや手足口病など、ウイルスによるのどの病気も多くみられます。園や学校で何が流行しているかは診断の大きなヒントになりますので、わかる範囲で教えてください。
水分がとれているかどうかが、いちばん大事な観察ポイントです。痛みで水分を受けつけず、おしっこが少ない・ぐったりしているという場合は、早めに受診してください。
よくあるご質問
熱はないのですが、のどの痛みだけで受診していいですか
はい。熱の有無にかかわらず、のどの痛みは診療の対象です。食事や睡眠に影響が出ているなら、それだけで十分な受診理由になります。
扁桃炎をくり返しています。扁桃は取ったほうがいいのでしょうか
年に何度も高熱を伴う扁桃炎をくり返す場合、手術(扁桃摘出)が選択肢になることがあります。頻度や重症度、生活への影響を伺ったうえで、手術を検討すべき状態と判断した場合は、対応可能な医療機関へご紹介します。まずはくり返しの状況をお聞かせください。
のどの痛みが2週間以上続いています。ただの風邪でしょうか
通常の風邪によるのどの痛みは、1〜2週間以内に軽快することがほとんどです。それ以上続く場合は、逆流性食道炎や慢性的な炎症、まれにそれ以外の病気も含めて、一度のどの奥まで確認する価値があります。長引く症状こそ、受診してください。
いつも「のどから風邪をひく」タイプです。予防できますか
のどの防御力は、粘膜のうるおいに大きく左右されます。乾燥する季節の加湿とマスク、こまめな水分、そして鼻づまりを放置しないこと(口呼吸はのどを直撃します)が基本の予防です。鼻の症状をお持ちの方は、鼻の治療がのどの守りにもなります。
のどの痛みで、うがい薬は使ったほうがいいですか
水やぬるま湯でのうがいで、のどのうるおいを保つこと自体は良いケアです。消毒成分の強いうがい薬を頻繁に使うと、のどを守っている常在菌や粘膜への刺激になることがあるため、使いすぎには注意してください。使い方に迷ったら診察時にお尋ねください。
