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声がかれる

声がかすれる。ガラガラ声が治らない。高い声が出なくなった。話していると声が疲れる。声の変化は、電話や接客、会議、歌など、声を使うあらゆる場面に影響します。

風邪のあとの一時的な声がれはよくあることです。ただ、声のかすれには「2週間」というひとつの目安があります。それを超えて続く声がれは、一度声帯を見てみる価値があります。このページでは、声がかれる原因と、当院での診療についてご説明します。

のど・声帯の診察の様子
画像 [1] のど・声帯の診察の写真
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声が出る仕組みと、かすれる理由

声は、のどの奥にある左右一対の「声帯」が、吐く息で細かく振動することで生まれます。1秒間に100〜300回、左右の声帯がぴったり閉じて震える。この繊細な動きが、なめらかな声の正体です。

声がかすれるのは、この振動がうまくいかなくなったときです。理由は大きく3つに分けられます。声帯が腫れている(炎症)、声帯に何かができている(ポリープなど)、声帯の動きや閉じ方に問題がある。どれに当てはまるかは、声帯を実際に見ることで確かめられます。

声がかれる主な原因

急性喉頭炎

風邪のあとの声がれの、代表的な原因です

ウイルス感染などで声帯が腫れ、振動が乱れて声がかすれます。風邪の症状とともに、あるいは風邪のあとに起こり、多くは1〜2週間で回復します。この間に無理に声を出し続けると回復が遅れるため、できる範囲で声を休めることが治療になります。

声帯ポリープ・声帯結節

声をよく使う方の「使いすぎのサイン」です

大声や長時間の発声で声帯に負担がかかり続けると、声帯にふくらみ(ポリープ)やタコのような硬まり(結節)ができ、声帯がぴったり閉じなくなって声がかすれます。教師、保育士、接客業、歌う方、応援で大声を出したあとの方などに多くみられます。声の安静や治療で改善するものも多く、手術が必要と判断した場合は適切な医療機関へご紹介します。

逆流性食道炎による声がれ

朝いちばんの声がれ、咳払いの癖がヒントです

就寝中に逆流した胃酸が声帯を刺激し、朝の声がれ、のどの違和感、咳払いの癖につながることがあります。胸やけの自覚がない方も少なくありません。生活習慣の調整とお薬で改善が期待できます。

加齢による声の変化(声帯萎縮)

声が弱く、かすれ、長く話すと疲れる

年齢とともに声帯の筋肉がやせると、閉じたときにすき間ができ、息もれのある弱い声になります。「声が通らなくなった」「電話で聞き返される」という変化がサインです。発声のトレーニングで改善が見込めることもあり、あきらめる前に一度ご相談ください。

喉頭がん・その他の腫瘍

頻度は高くありませんが、声がれは早期のサインになりえます

声帯にできる腫瘍は、早い段階から声のかすれとして現れることが多く、「声の変化で早く見つかりやすい」病気でもあります。喫煙と飲酒が大きなリスク要因です。長く続く声がれ、特に喫煙歴のある方の声がれは、「タバコのせいでいつもこう」と流さずに、一度声帯を確認してください。早く見つかれば、声を残せる可能性も高くなります。

2週間続く声がれは、受診を

風邪による声がれなら、通常は2週間以内に回復に向かいます。それを超えて続く声がれは、原因を確かめるタイミングです。

こんなときは、早めにご相談ください

  • 声のかすれが2週間以上続いている
  • 風邪をひいていないのに、声がかすれてきた
  • 喫煙歴があり、声がれが続いている
  • 飲み込みにくさ、食事のときのむせを伴う
  • 首のしこり、血の混じった痰を伴う
  • 息苦しさを伴う(この場合は、すぐに受診を)

声がれは、痛みがないぶん後回しにされやすい症状です。けれど声帯は、内視鏡で直接見れば状態がその場でわかる場所でもあります。「見れば分かる」のに「見ないまま様子見」を続けるのは、もったいない選択です。

当院の診療について

声帯は、見れば分かることの多い場所です。

鼻から入れる細い内視鏡で、声帯を直接観察します。腫れているのか、ポリープがあるのか、動きに問題があるのか、それ以外の変化がないのか。検査は数分で、発声しながらの観察もできます。

院長は、埼玉医科大学国際医療センターの頭頸部腫瘍科で、のど・声帯の腫瘍の診療に携わってきました。その経験は、「心配のないもの」と「詳しく調べるべきもの」の見きわめにこそ活きると考えています。確認すべき所見があれば、適切な医療機関へ速やかにおつなぎします。多くの場合は、その場で「心配いりません」とお伝えできるはずです。

喉頭内視鏡検査の様子
画像 [2] 内視鏡検査の写真
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治療について

原因に応じて、炎症を抑えるお薬、逆流への治療、声の使い方のアドバイスなどを行います。声帯ポリープや結節も、まずは声の安静と保存的な治療から始めることが多く、経過を見ながら方針を一緒に決めていきます。

お仕事で声を使う方には、「どのくらい声を休めるべきか」「仕事を続けながらできる工夫は何か」を、生活の実情に合わせてご相談に乗ります。「休めと言われても休めない」事情も含めて、率直にお聞かせください。

診察の流れ

  1. 問診いつから、どんなかすれ方か、声を使うお仕事・習慣、喫煙・飲酒、胸やけの有無を伺います。
  2. 診察のどを観察し、必要に応じて内視鏡で声帯を直接確認します。
  3. 説明声帯の状態を、見えたままにご説明します。
  4. 治療原因に応じた治療と、声の使い方のアドバイスを行います。
  5. 経過確認声の回復を確認します。改善が乏しい場合は、次の一手を一緒に考えます。

内視鏡と聞くと身構える方もいらっしゃいますが、鼻から入れる細いカメラで、検査自体は数分です。苦痛が少なくなるよう配慮して行いますので、ご安心ください。

声を守る習慣

声帯は「使いながら守る」ことができます。声をよく使う方に、日常でできる工夫をご紹介します。

  • こまめな水分補給:声帯の粘膜がうるおっていると、振動の負担が減ります。話す仕事の日は、手元に飲み物を
  • ささやき声は逆効果:声がれのとき、ささやき声はかえって声帯に負担をかけます。小さめの普通の声で、短く話すのが正解です
  • 咳払いの癖を減らす:咳払いは声帯どうしを強くぶつける動作です。癖になっている方は、水を一口飲む・軽く飲み込むで置き換えを
  • 喫煙を見直す:タバコの煙は声帯の粘膜を直接傷めます。声のためにできる、いちばん効果の大きい対策です
  • 乾燥対策:加湿とマスクは、のどだけでなく声帯も守ります。いびきや口呼吸のある方はいびき・口呼吸のページもご覧ください

お子さまの声がれ

元気に大声を出すお子さまの声がれは、声帯結節(いわゆる「学童結節」)によるものが多くみられます。大声や叫び声で声帯に負担がかかり続けることが原因で、怒鳴るような遊び方をするお子さまや、スポーツで声を出す機会の多いお子さまに起こりやすいものです。

多くは成長とともに、また声の使い方の工夫で改善していきます。無理に「静かにしなさい」と抑えつける必要はありませんが、声がれが長く続く場合は、一度状態を確認しておくと安心です。

また、風邪に伴う急な声がれで、犬の遠吠えのような咳(ケンケンという咳)や息苦しさを伴う場合は、のどの奥が腫れるクループという状態の可能性があります。夜間に呼吸が苦しそうな場合は、朝を待たず救急を受診してください。

よくあるご質問

声がれだけで、痛みはありません。受診していいですか

はい。痛みのない声がれこそ、声帯を見て確かめる意味のある症状です。2週間以上続いているなら、なおさら一度ご相談ください。

内視鏡はつらくないですか

鼻から入れる細いカメラで、検査は数分です。個人差はありますが、多くの方は「思ったより平気だった」とおっしゃいます。つらさが少なくなるよう配慮して行いますので、不安な点は事前にお伝えください。

タバコを吸っています。声がれと関係ありますか

大いにあります。煙は声帯の粘膜を直接刺激し、慢性的な声がれの原因になります。また、喫煙は喉頭がんの最大のリスク要因でもあります。喫煙されている方の続く声がれは、「いつものこと」にせず、一度声帯を確認してください。

仕事で声を使うので、休めません。それでも治りますか

完全な沈黙が必要なケースばかりではありません。話し方の工夫、水分と加湿、業務の中で声の負担を減らすポイントなど、仕事を続けながらできる対策はあります。お仕事の内容を伺ったうえで、現実的な計画を一緒に立てましょう。

カラオケや応援で声がかれました。放っておいて大丈夫ですか

一時的な使いすぎによる声がれは、数日〜1週間ほど声を控えめにすれば回復することがほとんどです。水分をとり、ささやき声ではなく小さめの普通の声で過ごしてください。1〜2週間たっても戻らない場合は、ポリープなどができている可能性があるため、受診をおすすめします。